第二回予想問題 地理

第 二 問

世界と日本の土木や交通に関する以下のA~Bの問いに答えなさい。解答は、解答用紙の(ロ)欄を用い、設問・小問ごとに改行し、設問番号・小問番号をつけて記入しなさい。

設問A

図2-1および図2-2は地理院地図の一部で、図中にはそれぞれ人造湖が含まれている。

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図2-1

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図2-2

(1) 図2-1中の九頭竜湖駅までの鉄道は、現在の北濃駅までの鉄道(長良川鉄道)と一体で計画されたが、図中央の区間は未完成のままとなっている。九頭竜湖から北濃駅までの鉄道計画のルートとして考えられるものを、解答用紙の図中に書き込みなさい。また、なぜそのルートが相応しいのかを、地形に着目して1行以内で答えなさい。

(2) 図2-2中の若葉台で戦後に起きたと思われる地形改変について、1行以内で述べなさい。

(3) 図2-1中には複数のダムが描かれているが、これらのダムの建設目的と、その目的に対してなぜ九頭竜川が適しているのかの背景について、九頭竜川の流路を踏まえて、あわせて4行以内で述べなさい。

(4) 図2-2中の城山湖津久井湖ではどちらの水面が高いか、答えなさい。

(5) 図2-2中の城山湖津久井湖の間では、標高の低い湖から標高の高い湖に水を汲み上げて、水を低い方へ流して発電する、揚水水力発電が行われている。なぜここで揚水水力発電が行われているのか、次の語句をすべて用いて、2行以内で述べなさい。語句は何度用いても良いが、使った箇所には下線を引くこと。

夜間 ベースロード電源

(6) 図2-1中にも、揚水水力発電のためのダムが設けられている。その名称を答えなさい。

 

設問B

以下のA~Cはユーラシア・北アメリカ・オーストラリアの各大陸における、大陸横断鉄道のうち一経路における、主な都市の位置を模式的に示したものである。

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図2-3

【図2-3の凡例】

○:首都または国内最大都市

▲:人口100-300万人の都市

■:人口50-100万人の都市

(注)人口300万人以上でかつ首都でも最大都市でもないものは存在せず、また人口50万人未満の都市は表していない。

(注)Bの西端は海に面していない都市である

 

(1) A~Cの西端はそれぞれどこの国に属するか。D—日本の形で答えなさい。

(2) 北米大陸における最初の大陸横断鉄道の開通は1869年とされているが、その当時は東端はネブラスカ州までの開通だった。なぜ1869年をもって「大陸横断鉄道」の開通と言えるのか、その理由を貨物輸送の面から2行以内で述べなさい。

(3) Aを運営する鉄道会社は、1885年以前の西部の路線が未開通の頃、東部から訪れた旅客向けに船舶による輸送も行っていた。この理由として考えられるものを、1行以内で述べなさい。

(4) Bの鉄道を活用して、1928年以降に新たな形式で工業振興がなされたことについて、具体的な地名や鉱産資源の名前を挙げながら、2行以内で述べなさい。

(5) ロシアの鉄道は、すべてモスクワ時間で案内されているため、乗車する際には注意が必要である。いま、ウラジオストク駅を午前11時50分に発車する列車に乗りたい。このとき、ウラジオストクでの実際の時間はおおよそ何時ごろだろうか。午前または午後を付して答えなさい。

なお、モスクワ時間は東経45°を基準として考えて良く、ウラジオストク時間は実際の経度から概算で求めよ。また、ロシアではサマータイムは現在存在しない。

(6) オーストラリア大陸では、2004年、人類史上初となる大陸縦断鉄道が開通した。アデレードを出発し、大陸横断鉄道と並走したのち、分岐して大陸中央部を北上し、ダーウィンに到着する。この大陸縦断鉄道を南から北まで乗り通したときの、沿線の気候帯の変化について、2行以内で簡単に述べなさい。

 

補遺

地理は作問コストが大きい……大変です……でもこういうことをやっていると地図とかデータとかが随分頭に入りますね。

設問A

高い湖——城山湖

揚水水力発電のダム——鷲ダム

日本海側なので流量が多いので、ダムとしては有利ですし、洪水防止としても重要です。九頭竜ダムのすぐ下に鷲ダムというのがあって、それは揚水水力発電をしているそうです。なるほど。

城山発電所は、つまり夜の余剰電力を位置エネルギーに変換して、昼間に力学的エネルギーに変換して電力を得るということで、巨大な電池と言えるのだそうです。小学生のときに揚水発電を見学に行って、何て無駄なことをしているんだと唖然とした記憶がありましたが、そういうことだったんですね。

設問B

乗ってみるならシベリア鉄道がいいですね。沿線にも都市がたくさんありますし。ただ最近は随分国際情勢も不安定で、少し心配です。

オーストラリアは清々しいくらいなにもないのですが、この「途中にアデレードが無い」というのがヒントになって、東端をメルボルンではなくシドニーと判断できると良いなあというささやかな願いを込めてあります。人口最大都市はシドニーでした。勿論キャンベラではありません。

北米大陸はカナダなのに気づきましたでしょうか。都市が少ないのと、西端の人口も少ないのに気づいていただけるとありがたいです。西端はヴァンクーヴァーです。合衆国のほうだと、西端はサンフランシスコやロサンゼルス、あるいはサンディエゴなどになるので、もう少し人口が多いです。

ちなみに、シアトルとヴァンクーヴァーは人口規模では区別がつきません。では、ここで東側を見てみます。まず西半分にカナダ第三の都市・カルグリーが存在するのがヒントです。アイダホやモンタナには大きな都市はありません。そしてさらに○が2つあるのに気づきましたか。これは結論からいうとトロントとニューヨークなのですが、ワシントンDCとニューヨークのペアだと思ってしまった方もいるでしょうか。仮にワシントンDCからニューヨークまでの間を通っているとしたら、その間に確実にフィラデルフィアボルティモアなどの大都市を通っているはずです。ゆえに選択肢として削除できます。トロントをオタワと間違えても仕方ないでしょうし、この問題では影響ありません。同じく、東端のニューヨークをワシントンDCだと誤解しても問題ありませんが、ワシントンDCは近くまでチェサピーク湾が迫っており、川幅もそこそこ広いものの、海に面しているとまでは言えないので否定できます。

そうそう、大陸縦断鉄道ってレアなんですね。特にユーラシアには新期造山帯が東西に走っているから、これまで無理だったのでしょうね……。