キャッサバ/タロイモ/ヤムイモの単簡な区別法

地理を履修すると、ナイジェリアが生産一位の作物としてキャッサバ/ヤムイモ/タロイモなどを知ることになりますが、その区別はつかず、「なんかアフリカでよく食べる芋でしょ?」程度の認識に終始しがちです。

実際の定期試験などでどこまで役立つかはさておき、その簡単な区別法について言及します。

※調べて書いているものなので、間違いなどあればご指摘ください。

統計を区別しよう

まずは統計を見てみましょう。

キャッサバ ヤムイモ タロイモ
ナイジェリア 5483 ナイジェリア 4500 ナイジェリア 327
タイ 3002 ガーナ 712 中国 184
インドネシア 2344 コートジボワール 581 カメルーン 167
ブラジル 2325 ベナン 322 ガーナ 130
ガーナ 1652 エチオピア 145 パプアニューギニア 27
コンゴ民主 1468        
ベトナム 1021        
カンボジア 833        
インド 814        
アンゴラ 764        

(※数字は生産量/単位は万トン)

(二宮書店『データブック・オブ・ザ・ワールド2018』より)←古くてすみません

はい、こんな感じです。

特徴としては、

キャッサバ ヤムイモ タロイモ
生産量が多い ナイジェリアが高比率 生産量が少ない
東南アジアとアフリカ アフリカ中心 アフリカ+中国

こんなふうにまとめられるでしょうか。

たぶんこの情報だけ頭に入れておけば、統計として区別はできるでしょう。しかしながら、もう少しこれらの作物について知っておいても良いのではないかな、ということでご紹介していきます。

各作物について

キャッサバ

みなさんご存知の通り、キャッサバといえばタピオカの原料です。まあ別に主食としてタピオカばかりが食べられているわけでもなくて、粉にしてからパンにしたりウガリにしたりするなど、色々食べ方はあるそうです。

原産地は南米大陸で、17世紀にポルトガル奴隷貿易によって全世界的に広まったそうです。

茎を地面に差すだけでとにかく簡単に育ってくれる上、作付面積あたりのカロリーが高いので重宝されたそうですが、食用には毒抜きが必要など、面倒な面もあるそうです。

ヤムイモ

ヤムイモとは、ヤマノイモの仲間の総称だそうです。ヤマノイモというと、山芋あるいは自然薯とも呼ばれる通り、日本でも普通に食べています。長芋もヤムイモに含まれるということで、とろろご飯など、普段から自分たちも食べていることがわかりますね。原産地は色々あるそうで、日本で食べる山芋・長芋は日本・中国原産だそうです。日本の生産は17位(2019)だそうです。

関係ないですけど自然薯ってジネンと読むのが面白いですよね。

タロイモ

タロイモとは、サトイモ属の植物で、根茎を食用するものの総称だそうです。サトイモ属? そう、サトイモタロイモの仲間なんです。へぇーっ、タロイモも日本で食べていたんですね! こう考えると普段の煮物を食べるにもテンションが上がってきます。

原産はマレー地方と考えられていて、熱帯地域などで生産が多いそうです。ちなみに日本の里芋は世界最北のタロイモなんだとか。日本の生産は11位(2019)だそうです。

まとめ

いやあ、意外と食べているんですね、タロイモもヤムイモも。しかも日本で意外と作っている。

キャッサバ ヤムイモ タロイモ
生産量が多い ナイジェリアが高比率 生産量が少ない
東南アジアとアフリカ アフリカ中心 アフリカ+中国
新大陸原産 原産地いろいろ マレー原産
日本ではタピオカを食用 日本では山芋・長芋を食用 日本では里芋を食用
育ちやすいが毒抜き必要 日本は17位 日本は11位

ところで、キャッサバは「新大陸農耕文化」、タロイモは「サバナ農耕文化」であることもわかりました。同じイモだと思っていても、なかなか違いはあるものです。こういうことを知ると、味気ない統計も鮮やかに見えてきますね。